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東京国立博物館・特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」(1)
上野にある東京国立博物館の平成館で「ボストン美術館 日本美術の至宝」が開催されています。
最近、日本の古美術にはまっているので、私も行ってきました。


入り口で目に飛び込んでくるのが、平櫛田中(ひらぐしでんちゅう)作の、岡倉覚三(岡倉天心)像です。

《岡倉覚三像(おかくらかくぞうぞう)》平櫛田中((1872年-1979年)作 ボストン美術館蔵
《岡倉覚三像(おかくらかくぞうぞう))》平櫛田中((1872年-1979年)筆 ボストン美術館蔵

台座に「天心先生」って、書いてますね。

岡倉天心は、私の勝手な美術史(7)でもご紹介した東京美術学校(現・東京藝術大学)の設立に大きく貢献した人です。
東京美術学校第一期生には、横山大観(よこやまたいかん)や菱田春草(ひしだしゅんそう)が名を連ねており、
岡倉天心は27歳で、東京美術学校の第二代校長に就任しています。

その後、東京美術学校を去ることになりますが、
42歳でボストン美術館中国・日本美術部に迎えられて、後のボストン美術館東洋部部長を務めています。
近代日本の美術教育、伝統美術の復興、文化財保護などに多大な貢献をした人物です。

若い頃に心臓の手術をしており、その傷跡が漢字の「天」の字に見えることから、自らを天心(てんしん)と呼んだとのこと。

格好良すぎるだろうが。



さて、私の勝手な美術史(7)でもご紹介した、横山大観と菱田春草ですが、実は共に狩野派の画法を学んでいます。

室町時代から400年続いた狩野派は、常に画壇の中心に居座り、封建的画壇の弊害を作ったとされる場合もありますが、
当時の日本には美術学校がなく、古くからの日本画の技法をしっかりと受け継いてきた狩野派の絵師達のおかげで、
中世から近代において、日本画を基礎から学ぶことができたと、近年になって狩野派の存在が再評価されているそうです。

「円山応挙」や「伊藤若冲」、「尾形光琳」も実は、狩野派の画法を学んているんですよ。


さて、そんな横山大観の狩野派の画法のお師匠が、狩野芳崖(かのうほうがい)
菱田春草の狩野派の画法のお師匠が、橋本雅邦(はしもとがほう)です。


《江流百里図(こうりゅうひゃくりず)》狩野芳崖(1828年-1888年)筆 ボストン美術館蔵
《江流百里図(こうりゅうひゃくりず))》狩野芳崖(1828年-1888年)筆 ボストン美術館蔵


《騎龍弁天図(きりゅうべんてんず)》橋本雅邦(1835年-1908年)筆 ボストン美術館蔵
《騎龍弁天図(きりゅうべんてんず))》橋本雅邦(1835年-1908年)筆 ボストン美術館蔵


明治期、新しい日本画を模索した二人の狩野派の絵師の作品を、並べて鑑賞できたことは、とても良かったです。
実物は、二つともとても大きく、迫力があるんですよ。



前半は仏画が中心ですが、後半は刀剣や振袖なんかも出てきます。
来国俊作の短刀、備州長船兼光作の短刀などがありますが、
東京国立博物館所蔵の来国俊作の短刀は国宝扱い、備州長船兼光作の短刀は重要文化財です。

ボストン美術館の収蔵品が、幻の国宝と言われているのも、決して誇大な言い回しではないと言うことがわかります。


私は、振袖の魅了を再発見しました。

《振袖 黒縮緬地桜楓模様(くろちりめんじおうふうもよう)》美術商山中商会販売 ボストン美術館蔵
《振袖 黒縮緬地桜楓模様(くろちりめんじおうふうもよう)))》美術商 山中商会販売 ボストン美術館蔵


わ。きれいだ。これ。

日に全く焼けていません。
アメリカに持って行ったは良いけど、誰も着れなかったのではないでしょうか。
そもそも、着るという発想はなかったのか。

私は美術館にある衣類というのは、当時の日本の織物技術における資料的価値で展示しているのだと思っていました。
しかし、この振袖は、そのもの自体が美術品であるという気品を称えています。

他に展示されていた能衣装の「唐織」もまた見事なのですが、
この振り袖は、当時の公家の娘さんが着ていたであろうという記述に、是非、これを着た立ち姿を見たかったです。


さて次は、水墨画の日本の最高峰、長谷川等伯の「龍虎図屏風」です。

《龍虎図屏風(りゅうこずびょうぶ)(左隻)》長谷川等伯(1539年-1610年)筆 ボストン美術館蔵
《龍虎図屏風(りゅうこずびょうぶ)(左隻)》長谷川等伯(1539年-1610年)筆 ボストン美術館蔵

《龍虎図屏風(りゅうこずびょうぶ)(右隻)》長谷川等伯(1539年-1610年)筆 ボストン美術館蔵
《龍虎図屏風(りゅうこずびょうぶ)(右隻)》長谷川等伯(1539年-1610年)筆 ボストン美術館蔵


これは、すごい!

屏風絵ですので、実際は畳12枚分ほどの大きさです。

屏風の端に、「自雪舟五代長谷川法眼等伯筆 六十八歳」と書いてある、最晩年の傑作です。
牧谿の作風を引き継ぎ、雪舟を敬愛した長谷川等伯は、自らを五代雪舟と呼んだのだそうです。

さて、長くなったので、(1)と(2)に分けますね。
東京国立博物館・特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」(2)へ続きます。

東京国立博物館140周年 特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」
ホームページ:http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1416
特別展・特設ページ:http://www.boston-nippon.jp/

ちなみに会期は2012年3月20日~2012年6月10日までですよ。
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