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なぜか美術史、そのうち芝居(1)
最近、古美術を見ながら演出のことを考えているのですが、
その知識を、いったん整理しておこうと思い立ちました。

しばらく美術史特集みたいになりますが、まぁ、別にいいでしょう。



さて先日、出光美術館に行き、牧谿(もっけい、生没年不明)を見てきました。


《平沙落雁図(へいさらくがんず)》牧谿(13世紀後半)筆 出光美術館蔵
《平沙落雁図(へいさらくがんず)》牧谿(13世紀後半)筆 出光美術館蔵
http://www.idemitsu.co.jp/museum/collection/introduction/painting/chinese/chinese01.html

中国南宋時代(1127年-1279年)の、牧谿(もっけい)というお坊さんの描いた水墨画です。

当時の日本人は、絵は色を乗せて描くというのが主流であったらしく、
墨の濃淡で全てを描く水墨画の手法に、当時の人は驚嘆したそうです。

Wikipediaで牧谿を調べると、当時の文献では「和尚」とただ言えば、牧谿の事を言うほどの人気だったようですね。


さて、そんな牧谿の作品が日本に入ってきたのは、鎌倉時代末の1300年頃です。


実はその頃の中国は、宋から元に変わっていました。
元は、1271年から1368年まで、中国とモンゴル高原を中心とした領域を支配した王朝です。

中国は、新しい王朝ができたら、王宮も都市もすべて破壊して、新しい都を作るほどの国です。
新しくできた元王朝にとって、かつての王朝の所蔵品は、棄却の対象なわけです。

そこで元王朝は、宋時代の美術品を日本に押しつけて、政の資金の足しにしたそうです。
そんなわけで、宋王朝所蔵の最高級の美術品が、日本に渡ってきたわけです。


そして、その影響で起きた日本の水墨画ブーム。
そこで日本人なら誰もが知ってる、雪舟(1420年-1506年)の登場です。

国宝《四季山水図-(山水長巻)》雪舟(1420年-1506年)筆 毛利博物館蔵
国宝《四季山水図-(山水長巻)》雪舟(1420年-1506年)筆 毛利博物館蔵
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2012_02/index.html

この雪舟の四季山水図は、現在サントリー美術館で見れるようですね。

さて、雪舟が活躍したのは室町時代ですが、
桃山時代に水墨画で名をはせたのが、かの長谷川等伯(はせがわとうはく)です。


国宝《松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)》長谷川等伯(1539年-1610年)筆 東京国立博物館蔵
国宝《松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)》長谷川等伯(1539年-1610年)筆 東京国立博物館蔵
http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=A10471

>草稿ともいわれるが,靄に包まれて見え隠れする松林のなにげない風情を,粗速の筆で大胆に描きながら,
>観る者にとって禅の境地とも,わびの境地とも受けとれる閑静で奥深い表現をなし得た。
>等伯(1539-1610)の画技には測り知れないものがある。
>彼が私淑した南宋時代の画僧牧谿の,自然に忠実たろうとする態度が,日本において反映された希有の例であり,
>近世水墨画の最高傑作とされる所以である。              東京国立博物館ホームページより引用


正直、個人的に雪舟はそれほど惹かれないんですが、等伯は見ておきたい。
この松林図屏風は、2013/01/02から、東京国立博物館にて展示予定だそうです。


ちなみに雪舟の水墨画は、江戸時代の大名家の娘の、嫁入り道具の必須アイテムだったそうです。

しかし、結婚していく娘の数に対して、雪舟の作品はそんなに多くあるわけではありません。

そこで、雪舟の贋作は、意図的に大量生産されたらしく、
現在、個人が所有している雪舟は、大半が偽物と思った方が良いそうです。


これで、水墨画の話はおしまい。
次回は狩野派でもまとめてみます。


牧谿が見れる出光美術館は、こちら
雪舟が見れるサントリー美術館は、こちら
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