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【演劇論】 変わるべきこと、変わってはいけないこと
『舞台上で大きな音が鳴ったとき、
 その方向を向いてしまう役者の方が良い役者である。』

平田オリザさんがそんな事を言っていた気がする。

あるシーンを役者を変えて演じる事がある。
仮に、役者Aと役者Bで演じていたのを、役者Aと役者Cで演じたとしよう。

演者が変わると、
急にそのシーンがおもしろくなったり、逆につまらなくなったりする。

問題は、役者Bと役者Cのどちらがうまい役者であるのかではない。

相手が変ったことにより、
役者Aがよりおもしろく感じたり、よりつまらなく感じることだ。

役者は、相手が変わって変わるべきこと、変えてはいけないことがある。


それは、

変わるべきこと:リアクション(反応)
変わってはいけないこと:ステータス(社会的地位) だと、私は思っている。


相手が変われば、相手から発せられる音が変わる。
その音に対して、しっかりとリアクションを取ること。
想定した演技は、ひとりよがりのものとなり、空間が成立しなくなる。

逆に、相手が変わって自分の立場や社会的地位を変える役者がいる。
台本に立場やステータスは書かれている。
そこを崩してしまうと、関係性が破綻し、やはり空間が成立しなくなる。

つまり、すべてが嘘になるのだ。

役者が役作りをする際、このリアクション型と、ステータス型がいる気がする。

リアクション型の欠点は、常に自分がおもしろいと思うことをやりがちで、
台本本来のおもしろさ(関係性や機微)が消えてしまいがちになる。
また、その場しのぎの極端なリアクションを取る傾向があり、
作品を通して、役としての一貫性が保たれず、人格が破綻した人間に見える。
1人の人間というよりは、キャラクターとして見られてしまう傾向がある。

ステータス型の欠点は、自分の役柄に対するイメージに固執し、型から入る。
自分がどんな演技をしたいかを事前に決め、相手が変わっても同じように演技する。
相手が変わっても、自分の演技はぶれないと本人は思っているが、
それは相手の演技を全く無視したひとりよがりの演技をしているにすぎない。
その為、相手の台詞をちゃんと聞いているのかと言われる。


私は役者とは、リアクションとステータスの両面から役作りをするべきだと思っている。

リアクション型の役者は、なによりおもしろい。
だからこそ、自分がどんな立場の人間を演じているのか、決して忘れないことだ。

ステータス型の役者は、そもそも品がある。
もっと相手の言葉を聞き、板の上でもっと自由になるべきだ。


そうすれば、自分にまだやれる事があることに、気が付くはずだ。
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