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【演出論】芝居とどう向き合うべきか
前回の【演出論】役になりきるために(2) においても、
私は作劇における『3つの成立』について触れました。

今回は作劇における『3つの成立』を例に出しながら、
役者として、芝居とどう向き合うべきかを書きます。

①会話の成立   ←演技指導
②役としての成立 ←演技指導
③作品としての成立←演出効果
http://yumetamanet.blog25.fc2.com/blog-entry-7.html

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今回は、オーケストラを例に出して話をしたいと思います。
(ちなみに私はオケの事は想像で書くので、実際と違っていてもお許しを)

さて、ここに演奏者Aがいます。

演奏者Aは、あるオケで演奏することが決まりました。
初日の挨拶はすでに済ませており、楽譜もすでに手元にあります。

今日は指揮者を交えて、初めての合奏です。
指揮者は感情を表に出す人ではないのか、ちょっと怖いという印象を受けました。

演奏者Aはまだ楽曲を覚えていませんでしたので、楽譜を見ながら演奏をします。
他の演奏者は、楽譜を完全に暗譜している人もおり、指揮者の指示に集中しています。
指揮者は、自分のことを熱心に見ている演奏者に、優先的に指導をします。

  ■芝居で言うなら、他の人たちは、台本を覚えてきた事になりますね。


演奏者Aは指揮者に、音程が違うと指摘を受けました。
演奏者Aは合奏の場で、音程に対する指導を受けます。

  ■芝居で言うなら、①会話としての成立です。
  ■出す音がずれて会話になっていないので、そこを修正して欲しいと演出家に演技指導を受けたことになります。


指揮者は演奏者Aに、音としての一体感がないと言いました。
演奏者Aは、独りよがりな感情にまかせて演奏していました。
自分がどう吹きたいかの前に、まずは楽譜に忠実に演奏して欲しいと言われます。

次に演奏者Aは、リズムがおかしいと指摘を受けました。
一つ一つの音程はあってますが、流れとして聞いたときに違和感があると言うのです。

  ■芝居で言うなら、②役としての成立です。
  ■会話として一時成立したとしても、全体を通して違和感があってはならないのです。


演奏者Aは、自分が準備不足であったことを知りました。


本来合奏の場とは、音程を確認する場でも、リズムにあわせて演奏できるようにする場でもありません。
そもそもそれは、事前にやってきてしかるべき、やれてしかるべき事なのです。



確かに、指揮者を交えて、音程の取り方からはじめる現場もあるでしょう。
みんなでわきあいあいと音程を取りながら談笑し、
音程がずれたことをみんなで笑い、今日はお疲れ様でした。
本番までに、演奏できるようになりましょう。


そんな現場、確かにありますよね。

でもそれって、発表会じゃないですか?



さて、話を続けます。
演奏者Aは次の日の練習に参加しました。

演奏者Aは自分のパートで詰まり、演奏を止めてしまいました。
演奏者Aは指揮者に向かって『すみません。』と謝罪します。

指揮者は、それを見てこう言いました。

『私は別にかまわないんですよ。
 でも、他の演奏している人たちは、この一時一時を本気でこの場にのぞんでいるんです。
 あなたが本気じゃないとは言いません。
 ただ謝るのなら、あなたと一緒に合奏している仲間に対して、勝手に止めたことを謝罪して下さい。』と。


演奏者Aは、頭が真っ白になりました。
今まで楽しく演奏していたのに、こんなの全然楽しくないと思いました。



それでも演奏者Aは、必死でついて行きました。

そしてある日、指揮者が演奏者Aに、『もっとこういう音が欲しい』と言いはじめました。

指揮者は演奏者Aに、自分がこの作品の世界観を、どうとらえているかを話し始めます。
指揮者は、作品を作り上げる上で、演奏者Aに協力を求めてきたのです。
演奏者Aは、自分に対して興奮しながら話をする指揮者に驚きました。
冷たい人じゃないかと思っていたこの人も、こうやって熱意を持って話したりするんだ。と。

 ■③芝居で言うなら、ここからが作品としての成立です。
 役者はここで初めて演出に対して、役者としてどう応えていけるかを考えることができるのです。


この時から演奏者Aは、みんなの音が深まり一体となって、楽曲の世界観が作り上げられていくことが、楽しみになりました。
やっていることはものすごく大変なことですが、練習後に充実感を得るようになりました。


『辛いのに、楽しい。』


そんな経験、あなたにもありませんか?


物を作る現場には、様々な現場があります。
本番にミス無く演奏できたなら、成功だという演奏会もあるでしょう。

でも今の私は、おそらくそういった現場では、もう満足できない。


もっと上へ。


あなたも一緒に、もっと、もっと上のステージへ。


あなたは、演技と読解のワークショップで、何か掴めそうですか?
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