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【生き方】東京にいる理由
大学受験に失敗し札幌での浪人が決まったとき、
友人のしみさんは、東京で浪人すると言った。

-なぜ、わざわざ東京で浪人をするのだろう。
『東京には、すごい人がいっぱいいるから。』

しみさんは、私にそう説明してくれた。


北海道民は、本州のことを内地(ないち)と呼ぶ。
海を渡って内地の大学に行く時、
私にも、違う世界へ踏み出していくんだという、いくばくかの恐怖があった。


父がまだ生きていた頃、
「おまえは札幌に戻ってくる気はないのか。」と聞かれた事がある。

その時の私は、しみさんと同じ答えをした。
「東京には、すごい人がいっぱいいるから。」と。


でも、今は、ちょっと考えが変わった。

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東京に来てまもなく、私の中に小さな疑問が生まれた。

-なぜ東京のご老人は、こんなにも気品を持っているのだろう。


  何年か前、友人と深川にどじょうを食べに行った事がある。

  深川のどじょうは、確かにうまかった。
  私は田舎の川でどじょうを捕まえては逃がすという遊びをしていたが、
  しょせん、どじょうはどじょうであって、決して上等な食材ではない。

  しかし江戸の人々は、これをいかにうまく食うか楽しんだ。
  それが文化として、今も定着しているのだろう。


 私には、東京のご老人達は文化を楽しんでいるように見えた。
 そして、ここにいることが当たり前であるという、
 揺るがない存在の所在が、気品として現れている気がした。

 その時の私の目には、『ご老人達=文化人』として、写っていたのだろう。


私にとって東京は、戦いの場であった。
でも今は、この街を楽しもうとしている。

 戦うことをやめたとき、この街も、案外悪くないものだと思った。


江戸からの心意気が、この街に文化人を育てる。
この街が、私の人格を豊かに育ててくれる。

 その先に、私の作りたい作品がある。

だから私は、今も東京にいる。


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