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国立近代美術館 常設展「近代日本の美術」(3)前期:2012/5/12~6/17

前回に引き続き、国立近代美術館 常設展「近代日本の美術」(3)を書きます。

国立近代美術館 常設展「近代日本の美術」(2)の続きになります。

11時からのハイライト・ツアーに参加した私ですが、その後、14時の所蔵品ガイドにも参加しました。
そこで案内されたのが、徳岡神泉(とくおかしんせん)の仔鹿です。

《仔鹿(こじか)》徳岡神泉(1961年製作) 国立近代美術館蔵
《仔鹿(こじか)》徳岡神泉(1961年製作) 国立近代美術館蔵

一面の緑の上に、赤々と燃えるような赤の仔鹿。

最初私は、夕陽を見ているのかと思ったのですが、
後方を見つめる仔鹿が赤いということは、太陽の光は手前から当たっていることになりますよね。
そうなると、夕陽を見ているわけではないと気付きました。

では、母鹿がその先にいるかのかと思いました。しかし、仔鹿は少し驚いた様子にも見えます。
母鹿を描くのならば、普通は仔鹿に寄り添ってる姿を描き、仔鹿はもっと安心してその場にいる気がしたのです。

次に、なぜ仔鹿の影は、草原に映っていないのだろうと考えました。
きっとこの緑は、草原そのものを描いているわけではなく、
作者に飛び込んできた緑を、印象のままに描いたのだのではないかと思いました。

ならば、仔鹿が見ているのは、「過去」なのかも知れない。

ちなみにこの作品は、夕暮れの梵鐘に振り向いた、奈良の鹿を描いたと作者が言っているそうです。


では、もう一つ。徳岡神泉の「菖蒲」(あやめ)です。

《菖蒲(あやめ)》徳岡神泉(1939年製作) 国立近代美術館蔵
《菖蒲(あやめ)》徳岡神泉(1939年製作) 国立近代美術館蔵


非常に写実的ですよね。

私はあやめの根元の位置から遠近感を感じ、そのまま花を見に視線を上へ移し、一つだけ白い花に、心を奪われました。
再び根元へ視線を移し、そこには池の水があるのだろうと想像し、その水は、画面一杯に広がっているのだと感じました。

そういえば日本の風景画って、海外のものとちょっと違うらしいですよね。

海外でも印象派がたくさんの風景を描いていますが、
自然の中の、ほんと一部分を切り取って描写するというのは、日本の作品が圧倒的に多いそうです。

それだけ、日本の自然が、いかに美しかったかという事ではないかと、私は思うんですけどね。

神泉は、このような写実的な菖蒲を描いた後に、先ほどの仔鹿を描いています。
だからこそ、先ほどの仔鹿にも、写実的な印象を受けるのかも知れません。

最後に徳岡神泉を、もう一枚。

《蓮(はす)》徳岡神泉(1925年製作) 国立近代美術館蔵
《蓮(はす)》徳岡神泉(1925年製作) 国立近代美術館蔵

正直に申しまして、私はこの蓮は、全然ピンとこなかったんです。300円で借りた音声ガイドを、何度リピートして聞いたことか。


音声ガイド:「蓮の下に下にカメがいます。・・・蓮の葉一本一本を丁寧に・・・」


そんなガイドを聞きながら、「丁寧に描くのは当たり前だろ。言われなくてもわかるわい。」と、
聞いているうちに、だんだん腹が立ってきまして見るのをやめました。

帰ってきてWikipediaの徳岡神泉を読んでわかったのですが、徳岡神泉って、若い頃は全く評価されなかったようですね。


静岡県立美術館のページには、このように紹介されていました。

>(徳岡神泉は)連続して文展に落選し、1919(大正8)年、芸術上の煩悶から京都をはなれ、一時期静岡県庵原郡富士川町に住むが、1923(同12)年、画家としての再出発をかけて帰洛。その後の歩みは順調で、1925(同14)年、第6回帝展に≪罌栗(けし)≫が初入選。第7回・第10回帝展で特選を重ねた。そして1939(昭和14)年、第3回新文展に出品した≪菖蒲≫において、その画業は大きな転機をむかえ、簡潔な構図と深い色調による神泉様式を確立した。

なるほど。

私は、ここまで画風を変化させ自分を高めて行った、徳岡神泉のファンになってしまいました。


あとは、もう、私には理解不能な現代美術がいっぱいありました。

わからないものが、いつかわかるようになるかも知れないのでここでは触れませんが、
時間や音符や言語など、それを芸術的に表そうとしたした人がいたという事実は、確かに私の中に残りましたし、
これがいつか、演劇を見つめ直すきっかけになれば良いかなと思います。

ちなみに、結局5時間半も国立近代美術館内をうろうろしてましたが、
わからないものは、何時間見ても、結局わかりませんでしたね。あはは。
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