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三の丸尚蔵館「内国勧業博覧会-明治美術の幕開け-(第1期:2012/4/21~5/13)」
以前になぜか美術史、そのうち芝居(6)で伊藤若冲の動植綵絵について、書いたことがありました。

>Wikipediaの動植綵絵によると、「動植綵絵」は、若冲が臨済宗相国寺に寄贈したものですが、
>明治22年に相国寺から明治天皇に献納され、その下賜金1万円のおかげで、
>相国寺は廃仏毀釈の波の中も、1万8千坪の敷地を維持できたそうです。

この「動植綵絵」を所蔵しているの博物館が、皇居東御苑内にある三の丸尚蔵館です。

皇室は、献納された美術品を所有しているだけではなく、
院展などの美術展で買い上げた美術品など、多くの文化財を保有していました。

私が小学生の時に、昭和天皇が崩御されましたが、
その時、皇室所有の美術品の一部が、国庫に寄贈されたのです。

そういった美術品を一般公開してくれているのが、三の丸尚蔵館です。

三の丸尚蔵館 / 内国勧業博覧会-明治美術の幕開け-
(第1期:2012/4/21~5/13)(第2期:2012/5/19~6/10)(第1期:2012/6/16~7/8)



武士の時代が、いよいよ終わろうとした明治前期。
最後の武士の戦いである西南戦争開戦の1877年に、第一回内国勧業博覧会が行われました。

当時の日本は、武士の時代が終わることで日本刀や武具を作ってきた職人達は働き場を失い、
諸大名が多額の資金で支えてきた日本芸術も、大口顧客を失い、衰退の危機にありました。

そこで内務卿であった大久保利通は、西洋化の波に日本の技術がこのまま飲み込まれてしまうのではなく、
積極的に欧米の技術を取り入れ、新しい産業を興こす必要があると考えたのです。


そんなわけで、今回は明治初期の日本芸術展なわけです。

今回の展示会では、並河靖之(なみかわやすゆき)の七宝(しっぽう)が展示されるという事で、行って参りました。


まずは、荒木寛畝の孔雀之図から。

《孔雀之図(くじゃくのず)》荒木寛畝(1831年-1915年)筆 三の丸尚蔵館蔵
《孔雀之図(くじゃくのず)》荒木寛畝(1831年-1915年)筆 三の丸尚蔵館

実物は、こんな色あせた羽ではありません。

孔雀の羽の青さが、圧倒されるほど鮮やかでした。
サイズも襖(1.8M×1.8M)以上はあったと思います。

でも、正直どうも私には、ぴんと来なかったんですよね。

今回は友人のO川くんも一緒だったのですが、
友人曰く、「あれほど尾っぽを振っているのに、足の踏ん張りが足りない気がする。」との事。

確かに。


私の感想としては、孔雀の羽の付け根から尾びれの部分が、ダイナミックに展開しているわけですが、
この羽の広げ具合からいくと、孔雀からはさほど離れず、魚眼レンズで孔雀をとらえたような視点で描かれている気がするのです。

この作品も1~1.5mの距離で見ると、一本一本の羽が信じられないぐらい細密に描かれているのですが、
実際目に飛び込んできて、印象に残るのは『羽だけ』なんですよね。

ただのひいき目かも知れませんが、私は長沢蘆雪や円山応挙の孔雀の方が好きです。

蘆雪の孔雀の方が、気品そのものが、伝わってくる気がするんです。

右下にいる孔雀も、蘆雪なら描かない気がしました。



《蘭陵王置物(らんりょうおうおきもの)》海野勝(1844年‐1915年)作 三の丸尚蔵館蔵
《蘭陵王置物(らんりょうおうおきもの)》海野勝(1844年‐1915年)作 三の丸尚蔵館


すっごい細かいです。

見てると、頭が痛くなってくるぐらい、細かいです。

友人は「秋葉原のフィギアに通じる物があるよね」と言っていました。



さて。

面白かったのは、大蔵省印刷局の國華余芳(こっかよほう)です。


國華余芳(こっかよほう)とは、「受け継がれるべき国のすぐれた宝」の意味。

これは正倉院御物や伊勢神宮神宝などの収蔵物を印刷した美術品図集なのですが、
印刷に使われた石版印刷の技術が、とんでもないのです。

実際に見たページの画像が見つからないので、他のページの画像をご紹介。

《國華余芳-正倉院御物(こっかよほう)》大蔵省印刷局
《國華余芳-正倉院御物(こっかよほう)》大蔵省印刷局

《國華余芳-伊勢神宮神宝(こっかよほう)》大蔵省印刷局
《國華余芳-伊勢神宮神宝(こっかよほう)》大蔵省印刷局

なんと13版の多色刷り印刷。

当時の偽造紙幣対策として、大蔵省が本気を出せばここまでやれると内外へ示すために、
技術のすべてをつぎ込んで大蔵省が印刷したものの、あまりのできのすごさに、
この技術で偽造紙幣を作られると、偽造紙幣を防ぐすべがなくなると公にされなかった、歴史に埋もれた技術なのだとか(笑)

これは、すごい。

印刷物なのに、3Dかと思いました。


しかも正倉院の収蔵物は、欠損部分を修復した状態で印刷したものもあるとのこと。
写真ではなく石版印刷だからこそできたのでしょうけど、正直、今のCGでも、ここまで質感を再現できないと思います。


さて、


私が見たかった並河靖之は、第2期(5/19~6/10)の展示で、今回はありませんでした。

「展示替えの期間は、お休みです」ではなくて、「会期を3つに分け、展示替えを行います。」と書いて欲しかった・・・。



行ってみて思ったのですが、意外と狭いのですね。今回展示されていたのも、11点。

ちなみに入場料は無料です。

休館日が多いですので、行かれる場合はご注意下さい。

三の丸尚蔵館 休館日カレンダー
http://www.kunaicho.go.jp/event/sannomaru/sannnomaru-close.html
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