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東京国立博物館・特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」(2)
前回に引き続き「ボストン美術館 日本美術の至宝」展の(2)を書きます。

東京国立博物館・特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」(1)の続きになります。

さて前回、長谷川等伯の龍虎図に見とれた私ですが、
そこからしばらくすると、通路の向こうに伊藤若冲のオウムが見えてきます。

でもその前に、一幅の掛け軸。

《海棠に尾長図(かいどうにおながず)》狩野探幽(1602年-1674年)筆 ボストン美術館蔵
《海棠に尾長図(かいどうにおながず)》狩野探幽(1602年-1674年)筆 ボストン美術館蔵


さりげない展示で見過ごしてしまいそうになりますが、狩野探幽の傑作です。
画像をクリックして、大きな画像で見て頂きたいです。

海棠(かいどう)は春の花です。
目を離し再び海棠へ目を戻すと、そこにすでに尾長鶏の姿はなく、せせらぎのみがそこにある気がしてきます。

これ、いいですよねぇ。
初めて、掛け軸を欲しいと思ったかも。


では次に、伊藤若冲のオウム。

《鸚鵡図(おうむず)》伊藤若冲(1716年-1800年)筆 ボストン美術館蔵
《鸚鵡図(おうむず)》伊藤若冲(1716年-1800年)筆 ボストン美術館蔵


白の単色で、大変細かい筆遣いで描かれています。

さすが人気の若冲なだけあって、人だかりができていました。

でも、なんでしょ。

若冲の初期の作品らしいですが、私は思ったほどこのオウムに惹かれなかったんですよね。
それよりも、私は横にあった十六羅漢図(じゅうろくらかんず)の方に、興味を引かれました。

《十六羅漢図(じゅうろくらかんず)》伊藤若冲(1716年-1800年)筆 ボストン美術館蔵

羅漢(らかん)というのは、お釈迦様の優秀なお弟子さんの事でして、
お釈迦様には、山ほど弟子がいたのですが、そのうちの16人を取り上げた作品の4人が、一幅ごとに描かれているのです。

衣類のものすごい簡略描写と、コミカルな顔立ち。
写生派の印象が強い若冲の、省略された線描がとらえる対象の本質。
予想外の収穫でした。


続いて見えてくるのが、尾形光琳の松島図。

《松島図屏風(まつしまずびょうぶ)》尾形光琳(1658年-1716年)筆 ボストン美術館蔵
《松島図屏風(まつしまずびょうぶ)》尾形光琳(1658年-1716年)筆 ボストン美術館蔵

光琳の松島図は、俵屋宗達の松島図の模写になります。東北の松島を描いたものではないようですね。

波の表現がダイナミックですよね。

なんか昔、日本画の波の表現は、枯山水の影響を受けているみたいな事を聞いた気がするんですが、
私はこの松島図を見ながら、夏に大きな鍋でゆでる、そうめんを思い出したんですよね。

どこかに、日本画の波表現とそうめんの関係性を記した論文はないですかね。


さて、私が遠目に見つけてドキドキしたのが、曾我蕭白の鷹図。

《鷹図(たかず)》曾我蕭白(1730年-1781年)筆 ボストン美術館蔵
《鷹図(たかず)》曾我蕭白(1730年-1781年)筆 ボストン美術館蔵

奇才の画家で知られる曾我蕭白ですが、写実的な鷹を描いていることは、知っていたんです。
それがボストン美術館の所蔵であったとは!!

あれ?

なんか、おかしくない?


鷹が振り返っている構図ですので、重心は若干後ろに来ますよね。
しかし、鷹の足下の岩肌は平面的で鷹の爪が、岩肌にかかってないですよね。

なんか鷹を真ん中に先に書いてから、右下の岩肌を後から書き加えたと思うぐらい、アンバランスな気がしてきませんか?


このブログを書くために、ちょっと調べたのですが、私が見たかった鷹図は、こっちだったようです。

《鷹図(たかず)》曾我蕭白(1730年-1781年)筆 香雪美術館蔵
《鷹図(たかず)》曾我蕭白(1730年-1781年)筆 香雪美術館

ね。全然違うでしょ。

画像をクリックして、大きな画像でも見比べてみてください。


では最後に、この展覧会最大の目玉、曾我蕭白の雲龍図です。

《雲龍図(うんりゅうず)》曾我蕭白(1730年-1781年)筆 ボストン美術館蔵
《雲龍図(うんりゅうず)》曾我蕭白(1730年-1781年)筆 ボストン美術館蔵

でかー。

やはり生で見ると違いますね。
どうしても画像だと、視覚的に全体を一瞬でとらえてしまいますが、
この、一瞬で理解できないほどのスケールも含めての、芸術なのでしょう。

この雲龍図の展示は、頭4枚・尾4枚で構成されています。

つまり、畳で計算すると、8+8=畳16枚

しかし、この雲龍は真ん中の胴体部分が残っていないのだそうです。
よく見ると、龍の左手が切れてしまってなく、頭と尾のつなぎ目が、おかしいんです。

胴体部分が畳8枚なのか、畳16枚なのかわかりませんが、8+8(欠損)+8で計算すれば、畳24枚分ですよね。
これは、廊下に直線で並べたものなのか、部屋の四方を囲んだものなのかわかりませんが、さぞや圧巻だと思うんですよね。

私は結局、平成館に4時間半もいてしまい、帰る頃には足がガクガクいってました。
普通は2時間ぐらいで回るのではないのでしょうか。

ボストン美術館展の会期は2012年3月20日~2012年6月10日までです。
興味を持って頂けた方は、是非どうぞ。


東京国立博物館140周年 特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」
ホームページ:http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1416
特別展・特設ページ:http://www.boston-nippon.jp/
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